近視の進行抑制治療について
一般的に近視の度数が-6.0Dを超えるものを強度近視といいますが、強度近視になるとコンタクトや眼鏡などを常時装用する必要となるだけではなく、将来的に病的近視まで進んだ場合には、網膜剥離、緑内障、網膜萎縮などを引き起こし、視力の低下や失明の原因ともなり得ます。
当院の近視進行の抑制について
大津京なかた眼科では、院長のこれまでの近視研究に基づいて、小児期における近視進行の抑制を積極的に行っております。これまでに様々な治療方法が近視抑制に効果があるといわれておりますが、現在医学的に効果が証明されているのは、低濃度アトロピン点眼とオルソケラトロジーです。
当院では、これらを用いて近視進行抑制に取り組んでいます。
残念ながら日本では保険診療の対象とはなっておりませんが、治療を希望される方はお気軽に当院にご連絡ください。
オルソケラトロジーとは
- オルソケラトロジーレンズは近視矯正用の安全性の高い高酸素透過性のハードコンタクトレンズです。
- 角膜の形に精密に合わせたレンズを使用するために角膜に対する刺激やストレスが殆どありません。
- 「夜間装着」が治療スケジュールの中心となりますので、レンズがずれたり外れたりすることも殆どありません。
- 朝にレンズを外した瞬間から良い視力が得られますので、昼間レンズを装着する必要がない為コンタクトレンズやメガネによる不都合が起こりません。
- 臨床試験では視力矯正効果に関して有効性が認められています。
有効性評価結果
評価 | % |
---|---|
極めて有効(視力1.0以上) | 84.1 |
有効(0.7以上1.0未満) | 12.5 |
やや有効(0.5以上0.7未満) | 3.4 |
無効(0.5未満) | 0 |
オルソケラトロジー装用スケジュール(1日の流れ)
寝ている間に近視・乱視を矯正するため、日中は裸眼で生活が可能です。
診療の流れ
-
問診
- 一般的な眼科の問診
- オルソケラトロジーの説明
-
眼科検査一般
- 視力検査
- トポグラフィー検査
- 前眼部検査 など
-
トライアルレンズフィッティング
- トライアルレンズの選択
- トライアルレンズ装用後の検査・診察
- プログラムの説明
-
トライアル開始(2週間お試し)
- ご自宅にてお試し
-
1週間後の検査
- 視力検査
- トポグラフィー検査
-
2週間お試し後の検査(治療開始の場合、契約)
- 視力検査
- 契約の説明
- トポグラフィー検査
- 契約の締結
-
定期検診
- オルソケラトロジー続行
- 定期検診
-
レンズ交換
- 2年程度でドクターよりレンズ交換の指示あり
オルソケラトロジー処方費用
通常の費用
処方費用 | レンズ1枚 81,400円 |
---|---|
レンズ再処方・変更費用 | レンズ1枚 40,700円 |
適応検査 | 10,780円 |
2週間トライアル料金 | レンズ1枚 30,800円 |
-6.0D以上の強度近視の方
処方費用 | レンズ1枚 97,900円 |
---|---|
レンズ再処方・変更費用 | レンズ1枚 53,900円 |
適応検査 | 10,780円 |
Q&A
- オルソケラトロジーレンズ使用の年齢制限はありますか?
- 小学校低学年から高齢者までが対象となります。強度近視の方も治療可能ですので、ご相談ください。
- レンズの取り扱いは難しいですか?
- 通常のハードコンタクトレンズと同様ですが、レンズは近視矯正を目的としてデザインされた特殊なレンズですので、医師の指示に従って正しく取り扱ってください
- 夜間のレンズ装用は問題ないのですか?
- もともとこのレンズには、連続装用可能な酸素透過性があります。日中装用のコンタクトレンズにくらべ、ホコリや花粉等が目に入ったりせず、眼の負担やレンズを破損・紛失するリスクも少なくなります。また、夜間装用であれば、日中装用時にまばたきのたびに起こる摩擦が少なくなり、眼にやさしい快適な装用感です。レンズは睡眠中ズレたり、はずれないよう特殊なデザインが施されており、従来のコンタクトレンズにくらべ大きめのサイズとなっています。
- 矯正効果の持続時間はどのくらいですか?
- 効果については個人差がありますが、早い場合はレンズ装用後数時間で効果が現れます。治療開始早期は夕方ごろ少し視力が低下することがありますが、装用を続けることにより視力が安定します。臨床試験では治療開始後4週までに約90%の方で8時間以上視力が持続すると回答し、その後も徐々に増加しました。
- 通院期間はどの位ですか?
- レンズが到着して治療がはじまると、1週間後・2週間後・1ヶ月後・3ヶ月後の定期検査があります。その後は、3ヶ月に1度の定期検査が推奨されています。
- オルソケラトロジーレンズでおこる合併症はあるのですか?
- 正しく医師の処方通りに使用すれば問題が起こる事はありません。ただ、角膜炎などの病気を生じるリスクがありますので、専門医の判断が必要です。まずはご相談ください。
- 痛みはありますか?
- レンズに慣れるまでは装用感が気になることがあります。痛みや違和感が続く場合はご相談ください。
- ある期間でレンズを交換しなくてはいけないのですか?
- レンズには寿命があり、2年程度で交換・再処方する必要があります。ただし、使用状況や取扱方法等、個人差により異なります。