眼瞼手術・翼状片手術|大津市大津京の眼科【大津京なかた眼科】

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眼瞼手術・翼状片手術

眼瞼下垂手術

上眼瞼が何かしらの原因で下がってしまい、そのことで日常生活に支障をきたしている状態を眼瞼下垂と言います。この疾患は、上眼瞼を挙上させる筋肉(眼瞼挙筋:まぶたを持ち上げる筋肉)もしくは神経に障害が起きることで発症します。具体的には、先天的な眼瞼挙筋の異常が原因とされる単純先天性眼瞼下垂、加齢やコンタクトレンズの長期装用による挙筋腱膜の緩み、動眼神経麻痺(脳動脈瘤、糖尿病などが起因)などがあります。

主な症状は患者様によって様々で、黒目の上部に瞼がかかっている軽度な場合もあれば、黒目のほとんどが隠れてしまう重度のものまであります。このような状態は、「眠そうな目をしている」「目つきが悪くなる」「目が小さく見える」などの見た目の問題だけでなく、上眼瞼が垂れ下がってしまうことで、視界が悪くなり、無意識のうちに眉を上げて物を見るようになることから、肩こりや頭痛、眼精疲労、めまいなどが起きることもあります。

治療について

治療に関してですが、上眼瞼が目に被さって見えにくい、下がっている状態がうっとうしく感じるなど、日常生活に支障をきたしている加齢性の眼瞼下垂に対して、当院では日帰りによる手術療法を行っています。

手術は様々な方法がありますが、局所麻酔下で行い、主に瞼板(けんばん)につながっている眼瞼挙筋を縫い縮めていくことで、上眼瞼を持ち上げる力を回復させるという手術が主になります。皮膚の弛緩が原因となっている場合には余分な皮膚を切除して縫合します。なお麻酔をしますので、術後は少しおやすみいただいてからご帰宅ください。なお患者様ご自身が運転(自動車、二輪車)してのご来院はお控えください。

手術時間は1時間程度で、術後2週間ほどはまぶたの腫れや内出血がみられることが多いです。術後1週間ほど経過した後、抜糸をします。術後ドライアイの症状がみられることもありますが、その際はドライアイに効果のある点眼薬を使用します。ちなみに眼瞼下垂の症状は、長い歳月を経て再発することもあります。その際は再手術を行います。

眼瞼内反症

眼瞼内反症とは、まぶたが眼球側に折れ返り、そのためにまつ毛が黒目に触れて傷をつけたり炎症を起こしたりする疾患です。眼瞼内反症には、老人性と先天性があります。

老人性眼瞼内反症

年齢的な変化によりまぶたの皮膚が相対的に余ってくる(まぶたの皮膚や筋肉が緩む)ことが原因です。

治療としては、黒目を傷つけているまつ毛を抜き続けてもよいのですが、症状が続く場合には手術が必要になります。当院では症状の再発が起こりにくい、眼輪筋を縫い縮める方法で眼瞼内反症手術を行っております。手術時間は40分程度で、日帰りで行うことができます。

先天性眼瞼内反症

眼瞼の皮膚や眼輪筋が生まれつき多過ぎることが原因です。成長するにつれて顔がやせてきて治ることもあります。4~6歳頃になっても改善しない場合は、症状の程度によっては手術を考えますが、全身麻酔が必要になることが多いため、手術が必要な場合は、大津赤十字病院をはじめとした高度医療機関と連携して治療を行います。

眼瞼けいれん・ボトックス

まぶたの筋肉が自らの意思とは関係なくひきつっている状態を総称して眼瞼けいれんと言います。これは、目の周囲を囲む筋肉(眼輪筋)が意図せずに収縮することで、瞼がピクピクして違和感が生じたり、瞼が開きにくくなる疾患になります。原因は特定できない場合もあり、40~50代の女性に好発しやすいと言われています。

症状について

よく現れる症状としては、瞬きが異常に多い、瞼がピクピクしたりします。そのほかにも光をひどく眩しく感じる、眼痛、異物感、目の乾き、かゆみなどの症状が見られます。症状が進行すると、目が次第に開けづらくなり、最終的には瞼が閉じて目が見えなくなってしまうということもあります。

眼瞼けいれんのボトックス療法

眼球に異常がある場合は、その原因疾患の治療が優先されます。原因不明の眼瞼けいれんの場合は、遮光メガネやクラッチメガネを用いる、内服薬(抗けいれん薬等)による薬物療法などがありますが、最もよく用いられる治療は、眼周囲の皮膚(眼輪筋)にボツリヌス毒素(ボトックス)を少量注射することで筋肉を弛緩させる治療です。当院では眼瞼けいれんに対してボトックス療法を行っております。ボトックスというと美容医療でよく使用されていますが、眼瞼痙攣の治療は保険適応で、効果は2~4か月持続します。なお、効果維持には反復投与が必要になります。

翼状片手術

結膜下組織が異常に増殖し、眼球結膜と共に角膜表層へと侵入していく疾患が翼状片です。翼状片は白目の表面を覆っている半透明の膜である結膜が、鼻側から角膜(黒目の部分)に向かって三角状に入り込んでいきます。高齢者に発症しやすいのが特徴です。原因については完全に解明されたわけではありませんが、砂塵や紫外線といった外的な刺激が原因ではないかと考えられています。

翼状片は通常、鼻側から角膜中央部に向かって侵入します。これが中央へと進んでいくにつれ、目が充血しやすくなったり、侵入した方向へと角膜が引っ張られることで生じる乱視、異物感が現れるようになります。そして瞳孔まで翼状片の組織が達するようになると視力の低下がみられるようになります。

治療について

症状がとくにない場合は経過観察となりますが、炎症による充血がある場合は、炎症を抑える点眼(ステロイドなど)による対症療法が行われます。しかし、点眼治療では翼状片が退縮しない、あるいは進行して視力低下をきたすという場合は外科的切除による日帰りの手術療法となります。

外科的切除とは、局所麻酔下で角膜に侵入した翼状片の組織を除去する方法になります。手術時間は10分程度です。なお翼状片は、結膜の下の線維芽細胞が増え過ぎることで起きる疾患です。したがって、翼状片の切除のみでは、その細胞が時間の経過によって再び増殖する可能性があります。翼状片の状態によりますが、当院では切り取った結膜部分に自分の正常な部分の結膜を縫い付ける方法(結膜弁移植、自己結膜移植という方法)を行い再発率を下げています。